ここでは、初心者の方がやってしまいそうなトラブルとその対処についてかんたんにまとめてあります。ここに書いてあること以外に、困る事や分からないことがあれば、スレッドやフォーラムに書き込んでください。誰かが対応をしてくれると思います。
そして、その内容がここに追加されます。それらのやりとりは必ずや、CPUクーラーのさらなる普及に貢献するものと思います。
これから自作仲間などが、はじめてCPUクーラーの交換を行なおうとしていたら、余計なお世話とは思わず、注意喚起してあげてください。
事例1.マザーボードに穴を開けてしまう!
「CPUクーラーを装着する際に、マザーボードに取り付けする穴がない」という理由で、マザーボードに穴を開けてはいけません!!
一見、何の配線もされていない部分であっても、多層 基板であるマザーボードの中央層はどうなっているか分かりません。
これによって、内部配線がショートされ、起動不能に陥る危険性が高いです。
実例
総合スレッドVol60の656氏
画像転載です
この例では完全にショートし、起動不能に陥ったようです。
このように、一見配線が無いように思える場所でも、内部に配線が存在するかもしれません。必ずマザーボードの既定の穴を使用してください。基本的に、穴がないなら諦めてください。
おまけ:真似してはいけない例を外人さんが迫真の演技で教えてくれます。
4コマ画像
(素材は外人4コマのガイドラインさんです)
事例2.CPUクーラーのベース部の保護シートをつけたまま!
CPUクーラーのベース部には通常、下の画像のような「保護シート」が貼られています。
↓の青いシートが保護シートです。(INFINITY:ぷりぷり)
この保護シートとは、パッケージングや輸送の際にベース部に傷をつけないため、またはユーザーにベース部の取り扱いを慎重にさせる意味があります。ベース部は、CPUとの接着を考えると、できるかぎり平らの方が好ましいため、このような処置が施されています。
これが保護シートの唯一の目的です。すなわち、CPUクーラーをシステムへインストールする際には、この保護シートは不要です、というか保護シートは必ず剥がしてください。保護シートは単なるプラスチック類ですので、熱伝導率はグリス以下です。そのため、保護シートをつけたままだと、CPUクーラーの力が発揮されません。
もう一度繰り返します。保護シートは必ず剥がしてください
保護シートは大抵、青色ですが、モノによっては無色透明だったり、警告マークが付いていたりします。
事例3.粘着性の強いバックプレートシートを貼り付ける!
バックプレートの項にも書いてありますが、危険度が高いのでこちらでも明記しておきます。
バックプレートは、CPUクーラーをマザーボードの反対側から固定し、マザーボードの負担を少なくしてくれる大切なパーツです。主に重量の大きいCPUクーラーに付属しています。また、それ以外にもアクセサリーなどでバックプレート単体でも発売されています。
バックプレートはプラスチックや金属など硬いものでできており、「ネジのあそび」を考えると、そのままではきっちりと固定できるか分かりません。また、金属製だった場合はショートの心配があります。そのため、大抵のバックプレートにはシートが貼られています。
scytheさんより引用、NINJAなどに付属します
さて、問題なのは、このシートには強い粘着性を持つものが多いということです。
PCのランニング中は、粘着性が強いことはそれほど問題ではありませんが、CPUクーラーを交換する際に大きな問題になります。あまりの粘着性で、そうかんたんにはバックプレートははずれなくなっているのです。工具を使った場合は、事例1と同様、何処かしらに傷をつける危険性が高いようです。不幸なことに、バックプレートはCPUの回路の近くですので、傷が付くと、起動不能に陥る可能性が高いのです。
恥ずかしいことに、私ぷりぷりはこれが原因でDFIのマザーボード2つを破壊してしまいました。(NINJA付属のバックプレート)
では、粘着シートがついているバックプレートは使ってはいけないのか?と思われるかもしれませんが、回避方法があります。
一番ベストと思われるのは、粘着シートに貼られているシールを剥がさず、そのまま利用するという方法です。シートには粘着性があるので、出荷時には他の何かがくっつかないようにシールが貼られています。このシールについて、各製品のマニュアルには「シールを剥がしてください」という趣旨の文章が書かれていますが、絶対に真似してはいけません。シールを貼ったまま、作業を続けてください!!
他にも、「マザーボード付属のバックプレートを使う」、「アクセサリー製品を買う」、「別製品の粘着性の弱いバックプレートを使う」などの対処方法があります。
シートにも2つのパターンがあります。バックプレート全体にシートが貼ってあるパターン、バックプレートの中央部だけにシートが貼ってあるパターンの2つです。前者が主に粘着性の強いシートで、後者は粘着性の弱い、安心なバックプレートです。
既にバックプレートつけてしまっているんですけど…という方は、バックプレートを熟読いただきたい。
事例4.マザーボード裏のリード線が極端に長い!
マザーボード上には、たくさんのコンデンサ、コイルなどがあります。これらには「ラジアルリード型」と呼ばれるタイプのものがあり、マザーボードを貫通して半田付けされています。マザーボード裏のリード線は不要となるので、通常はきちんとカットされるべきものですが、モノによっては妙に長かったり、リード自体が極端に太かったりするケースがあります。
問題は、リード線がじわじわとシートを貫通し、やがてショートする危険性があるということです。これは、リード線をニッパーやはさみで短く切断すれば解決します。
蛇足ですが、リード線が太い場合や半田部分がもっこりしていると、バックプレートを装着できなくなる場合も考えられます。
参考:写真の黄色いエリアにバックプレートが当たると、バックプレートがぐらついたりして、上手くバックプレートを装着できなくなることが考えられます。
http://up.cpu-cooling.net/p?m=s&n=84
事例5.CPUクーラーを外した衝撃でCPUが一緒にくっついてきた!
いわゆる、スッポンです。
これは、CPUやマザーボードを破壊しかねない、恐るべき事態です。
グリスの密度が大きく、CPUクーラーとヒートスプレッダが強い力でくっついてしまった場合、CPUクーラーを外す際には大きな力が必要になります。この時にCPUクーラーを無理に外そうとすると、CPUとソケット部の力の方が弱いためか、CPUの方が先に外れてしまいます。
この時、CPUがソケットから無理矢理取れてしまうので、CPUのピンが曲がってしまったり、折れてしまったりします。こうなると、相当冷や汗もので、強靭な精神の持ち主でない限りパニックに陥ります。あわてずスッポンの項目を見てください。
グリスは温めると密度が小さくなるので、PCの終了直後やドライヤーなどで温めてから作業をすると良いでしょう。また、CPUクーラーをヒートスプレッダ上で滑らすことで、摩擦熱が発生し、グリスの間に空気が入るので、CPUクーラーを外しやすくなります。
スッポンしてしまった場合は、スレッドへ報告してください。
事例6.電源ケーブルへの負荷!
20pinの真上にヒートシンクがあったのでコードを曲げて回避したけど
曲げた負荷がかかりすぎたか今日に入ってから電源がつかなくなった
結局BIOS起動さえも覚束なくなったということで、電源を逝かせてしまった可能性も高いようです。使用していたマザーボードはMSI 845GE Max-Lで、これは電源コネクタがクーラーのすぐ横にあります。このようなマザーは該当製品だけではなく数多く存在すると思われますので注意が必要です。ケーブルに負荷をかけそうな配置のマザーを買わない!という精神が必要なのかもしれません。